オーガニックコンシェルジュ 松田耒布さん、有機野菜を全国へ

file No.4 素敵なママfile×オーガニックコンシェルジュ 松田耒布さん

「素敵なママfile」では、さまざまな分野で活躍されている女性に、子育て、仕事との両立、プライベートな時間についてのお話を伺いながら、いつまでも素敵なママそして女性でいられるためのヒントをみつけていきます。

オーガニックコンシェルジュとは「オーガニックに関わるルールを理解し、食の安全安心から自然環境との共生へとアンテナを広げる“案内人”」のこと。この資格を持つ松田耒布さんは、熊本で暮らし、地元で採れた有機野菜を全国へ届けるお仕事を手がけられています。3人のお子さんのママでもある松田さんに、家族との日々についてうかがいました。

mama's style:
オーガニックに興味を持つ方が最近増えてきていますが、松田さんがそもそもオーガニック野菜に注目されたきっかけは?

松田さん:
私自身はもともと食べ物をあまり気にするほうではありませんでした。長男を妊娠したときつわりがひどかったのですが、ようやくつわりがおさまって自分の身体に宿った命を実感したときに、お腹の赤ちゃんの身体のもとになる自分の食生活がとても気になり始めたのです。

また、もともと熊本は国内有数の有機野菜の産地でありながら、市場のオーガニックへの意識は意外と低いというのが実情でした。農家の方たちがオーガニック野菜を手間暇かけて作っても、市場に出す段階で見た目がよくないとか値段が高いからだめと言われてしまうと、作り手も苦労して作り続ける気がなくなってしまいます。それでも自身を含め消費者が安全な野菜を求めていることは強く感じていたので、消費者に直接有機野菜をお届けする仕事を始めたのです。その際この仕事に対してきちんと責任を持とうと思い「オーガニックコンシェルジュ」の資格を取得しました。自分が一番欲していたことが仕事につながった、ということでしょうか。

仕事は主体的に

ご自身の体験がきっかけになっているのですね。今年事業を興されてから仕事と母親業の両立、そして自分の時間はどうされていますか?

自営業の良さは、自分で主体的に仕事ができるところですね。仕事は5時半で切り上げるなどして仕事と家庭の時間を調整しています。それから、私は活字中毒といえるくらい本が好きなのですが、子供がいるとなかなか集中して読書できないので、ひとりの時間ができるとよく本を読んでいます。

今は仕事に関わる実用書を読むことが多いですが、今まで読んできたなかでは特に、高校生のときに読んだ三浦綾子さんの『細川ガラシャ夫人』に強い影響を受けました。私はもともと出身は大分なのですが、『ガラシャ夫人の』舞台が熊本ということもあって、進学先を熊本に決めたくらいです(笑)

子供ができてからは絵本が好きになりました。あまりにのめり込んで絵本の専門家の先生に弟子入りしたくらい(笑)。特に外国の絵本は子供に媚びていないところがいいですね。長男のお気に入りで、私が絵本に興味を持つきっかけになった『おさるのジョージ』の内容は衝撃的でした(笑)。すごくいたずらっこなおさるのジョージが主人公で、こんなこと絵本で書いていいの?と思うくらい信じられないようないたずらを繰り返すんです。きっと、子供がやりたいことを全部絵本の中で疑似体験させているのでしょうね。
ちなみに2歳の末っ子のお気に入りは「はたらきもののじょせつしゃケイティー」という本。ほかに絵本はいっぱいあるのに、なぜかこれだけ毎日のようにせがまれるんです(笑)。

3人もお子さんがいらっしゃると、それぞれ個性がはっきりしているでしょうね。

そうですね。子供とはいえ一個人なのだと感じています。12歳の男の子、4歳の女の子、2歳の男の子がいるのですが、長男は下の子ふたりにとても優しくて、ミルクを飲ませてあげてそのあとゲップまでさせてあげていたんですよ(笑)
上から二番目の女の子は、すでに自分を持っていることにびっくりさせられることがあります。一人前に扱ってあげないとだめ。もう「レディ」という感じですね。(笑)ときどきこちらがドキッとするようなことを口にしたりもするんですよ。
三人目の2歳になる男の子は、わが家の癒し系といったところですね。夜寝つかせるときよく寝顔に見入ってしまうのですが、それはもう至福の時です(笑)。

お子さんに対してはどんなママですか? またご主人はどんなパパですか?

子供に聞いてみたら「面白いママ」と答えるかもしれませんね。いや、「怖いママ」かも(笑)。3人も子供を育ててすごいと言っていただくこともあるのですが、気づいたら家族が増えていたという感じで、あまり大変と感じたことはないんですよ。それに3回子育てを経験しても、育て方や叱り方はまだまだ勉強中です。叱り方というのは、つまり「伝え方」なんですね。一方的にこちらの主張を押しつけるのではなく、「どうしてだめなのか」「どうしてこうではなくてこうしなければいけないのか」ということを伝えてあげなければならないはずなのですが、3人目にしてもなかなか上手にできませんね(笑)

子育てで気をつけているのは、まずは健康が第一ということ。そして建設的に物事を考えられる人になってほしいと思っています。自分がこう言えば相手の人はこう感じるだろうとか、自分がこうしたらこういう結果になるだろうとか、推し量れる人間に育ってほしいと願っています。

主人は、家にいるときは子育てと家事にとてもよく協力してくれます。とはいえ、いないときのほうが圧倒的に多いのですが(笑)。
父親の育児参加については、家事、育児、おまけに仕事まで頑張っているママを助けてほしいというのはもちろんですが、実は子育てというのは子供に教えられることや楽しいことも多いものです。子供と接することで新たな世界を知ることも多く、新しい自分の発見や意外な出来事もたくさんあります。そういったことは男性の人生の中でもプラスの影響になるのではないでしょうか。こんな素敵なことをママだけに独占されるのはもったいない(笑)、男性も積極的に子育てに関わったほうがいいと思いますよ。

がんばっているママを応援したい

ママになって、自分が変わったと思うところはありますか?

独身のときは本当に自分のことばかりの人間でしたが、ママになってからは自分以外の周りにも目を向けることができるようになったかと思います。自分の子供、家族、お友達やその子供たち、そして世の中のがんばっているすべてのママたちへと、エールを送りたい相手の輪がどんどん広がってきたのです。
おもしろいことに出産経験を重ねるにつれ、だんだん妊娠、出産が楽しくなってきたのです。お産もどんどん楽になってきて、3人目の子のときなどは、陣痛が始まるともうワクワクしてきたぐらい。出産が一大イベントになっていました(笑)。

結婚でも出産でも、やはり自分が体験したからこそわかってきたことがあります。ママたちが毎日がんばっていることは本当によくわかりますし、自分の経験を役立てて、子育て中の女性たちをいつも応援していきたいと思っています。

ときには気持ちをゆるめて

お話をうかがっていて、松田さんはいい意味でとてもマイペースな方という印象を受けました。

家族が増えるにつれ、だんだんそうなってきたといいましょうか(笑)。昔は考え方に柔軟性がなく、「~は~であるべき」という思考をしていて、本を読んでいても現実と理論のギャップに混乱することさえありました。自分で行動しているけれど自分の意思で動いているのではなく、それがストレスになっていて物事を楽しめないところがあったのです。でも家族ができてからは、何もかも自分の思い通りにはできないことが出てきても、それでもいいのだと気持ちをゆるめることができるようになりました。私の場合、家族ができたことによって「抜く」ということができるようになってきたように思います。

今の時代、あまりにも情報が氾濫しているので、自分の知らないことなどはついメディアなど第三者による情報に影響されてしまいがちですが、母親そして女性としての自分の判断にある程度まかせてよいのだと思えるようになってきました。もちろん判断の責任はすべて自分にかかってきますので、常に勘や判断力を研ぎ澄ませておかなければなりませんが、そういう心持ちになったことで、まわりにふりまわされることもなくなりました。「~でなければならない」ということは世の中にそれほどない、もっと自分を信じていいのだということがわかってきたのです。

「自分」を確立するのが大事

がんばる女性たちを応援したいという松田さんから、ママたちへのメッセージをお願いします。

自らの身体で命を育み、産み出すことができるのは女性だけの特権です。そんな女性性をもっと楽しまれたらいいと思います。それと同時に結婚しているから、ママだからという理由でできないことは何ひとつないと私は考えています。「自分にはとても無理…」と思われるかもしれませんが、準備とタイミングを怠らなければ必ずできます。女性はそういう合理性を持って生まれていますから。
「結婚したら仕事は辞めて家庭に入るべき」「女性が子育てをするべき」といった社会的通念はいまだに私達の周りに根深く残っているようにも思います。でも、そんな「べき論」は誰が決めたわけでもありません。自分のスタイルは自分で確立することが大切です。
育児と仕事の両立を悩まれているママたちも多いと思いますが、何事もやってみなければわかりません。

状況が変わったら自分も変わってしまうと思わなくていいかもしれませんね。環境が変わっても、自分はこうありたいというヴィジョンがしっかりしていれば、ぶれることはありません。「ママになっても素敵な女性でいたい」と思うなら、大丈夫です。仕事との両立だって、やってみれば必ずできますよ。
なによりも愛すべき存在が自分の人生の中にあるというのはすごくラッキーなことだと私自身思っています。

最後に、10年後にはどんな自分になっていたいですか?

今と変わらない自分でいたいですね。事業の展開についても、母として、また一消費者としての今の目線を忘れないように進めていきたいと思っています。
でも、実は私の場合、不思議なことに10年後より30年後のヴィジョンのほうがはっきりしているのです。
30年後には自分の子供たちはそれぞれ独立しているでしょう。その頃の私は、様々な事情で親と暮らせない子供たちのママになっていたいのです。赤ちゃんや子供たちを保護する施設でお手伝いをしたいというのが昔からの夢なのです。不思議ですが、私の人生は最終的にそこに向かっていることだけははっきりとしているみたいです。

先ほどお話しした三浦綾子さんの『細川ガラシャ夫人』の影響もあり、聖書を読んだりもしましたがますが、私自身はクリスチャンというわけではありません。でも赤ちゃんは宝物、という思いが人一倍強いのは家族に恵まれたおかげかもしれませんね。
またそれとは別に、かっこいいおばあちゃんになりたいという夢もあります。孫が「キリンが見たい」と言ったら、そのまま飛行機に乗せてアフリカまで連れて行ってあげるような(笑)。

素晴らしい夢をお持ちの松田さん。ナチュラルで純粋な雰囲気を持ちつつ、時折かいま見える芯の強さや底に秘めた思いが印象的でした。

information/店舗情報

オーガニックママン

有機JASの認証を受けた安全・安心な季節の野菜を宅配。毎日に食卓にはもちろん、マタニティママ、離乳食、アレルギーが気になる方、美肌やダイエットを考えている方向けのセットがそろう。すべてレシピ付き。

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